よくお客様に音楽現場でのお仕事とはどういったことをされるのですか?というご質問をいただくので少しご説明させていただこうかなと思います。なかなか接点も情報も無い世界でしょうし、現場に出ながら調整やリペアの店舗を出している方も国内では殆どいらっしゃらないので興味を持ってくださる方もいるかと思います。
コンサートやレコーディングで楽器をハンドリングする専門の職業の人は、〜テクニシャン(技師的な意味・ギターテック、ドラムテック等)やローディー(楽器を搬入出する人の呼称?広義で現場で楽器管理する人、たぶん・・・)などの名称で呼ばれています。アーティストの舞台裏映像でミュージシャンの楽器や機材を扱うスタッフを目にしたことでご存じの方もいるかもしれません。仕事場はライブハウス、ホール、アリーナ、スタジアムなどのコンサート会場、音源製作でのレコーディングスタジオなど、その時に一緒に仕事をさせて頂くアーティストやバンド、ミュージシャンによって様々です。
仕事の例えとしてよく使われるのは、レーシングチームのピットクルーやメカニックなどです。トッププロのレーサーは自宅に停めてあるレーシングカーで当日のコースまで自走しませんし、走行時のタイヤ交換、足回りやエンジンのセッティングを自ら行いレースに挑むわけではありません。チームには専属メカニックやエンジニアが所属しそれらの作業を行っています。レーサーが走行中に違和感を覚えた場合にはチームスタッフに伝えて理想のコンディションに仕上げてもらうははずです。そういった関係性を想像していただければと思います。
具体的な業務内容は、現場での楽器のセットアップ、調整、音に関わる機材の各種調整やアレンジ、保全等をレコーディングスタジオや、コンサートツアー、大きな音楽フェスなどでアーティストとともに現地帯同し技術提供いたします。
これらのスキルがそのままリペアやセットアップに反映されるわけではありませんしその逆もまたしかりです。が、 現場の野戦病院のような過酷な環境の中で取捨選択する合理性を学ばされることもありますし、こういった感性や音に対する現場のノウハウを調整やリペア・楽器製作にフィードバックするメリットは非常に大きいと感じております。
その他、近年の代表的な現場帯同アーティスト(敬称略)
安室奈美恵、槇原敬之、吉井和哉、MAN WITH A MISSION、他